MATERIAL / AJI STONE

庵治石とは。

香川・庵治と牟礼で採れる、きめ細かな花崗岩。
一石の中に、山の景色がある。

庵治石の採石場の全景

THE DIAMOND OF GRANITE

緻密な石目。
静かな、存在感。

小さな結晶が緻密に結びついた、硬く風化に強い石。磨けば斑(ふ)が浮かび、割れば豊かな陰影が現れます。

「花崗岩のダイヤモンド」と呼ばれる美しさは、仕上げによって違う表情を見せます。

採石場の大きな原石

THE CHARACTER OF AJI

同じ山から、違う表情。

割肌に、光と影。

01 / SPLIT

割

割肌に、光と影。

自然に割れた凹凸を、そのまま表情に。荒々しく、繊細な石の肌。

山の時間が、色になる。

02 / PATINA

錆

山の時間が、色になる。

グレーに重なる、茶褐色の自然肌。一石ごとに異なる、温かな色合い。

重ねるほど、景色になる。

03 / LAYER

重ね

重ねるほど、景色になる。

異なる石目と輪郭が並び、陰影とリズムをつくる。

磨くと、奥行きが現れる。

04 / POLISH

磨き

磨くと、奥行きが現れる。

緻密な石目と、浮かび上がる斑(ふ)。光の向きで変わる、静かな表情。

採石によって現れた庵治石の割肌と結晶
山の時間が、手で触れられる表情になる。

80 MILLION YEARS / ONE STONE

途方もない時間を、
手の届く場所へ。

約8,000万年前。地下深くのマグマがゆっくり冷え、結晶が育ち、庵治石になりました。隆起と侵食を経て地表に現れた岩盤を、いま私たちが切り出しています。

一石の中にあるのは、色や模様だけではありません。途方もない時間を経た自然素材を、これからの暮らしや空間へ迎える。その背景も、庵治石を選ぶ魅力です。

石が生まれる仕組みを読む

SELECTED FROM THE MOUNTAIN

山のすべてが、製品になるわけではない。

採れた石から、傷や亀裂、寸法、石目を見極めて選ぶ。同じ山でも場所によって表情は変わり、求める条件がそろう石は限られます。

100トンから、数トンを選ぶ。その理由。

AJI / MURE — MANY HANDS, ONE STONE

ひとつの石を、
産地みんなの手で。

岩盤と重機が見える庵治石の採石場

日本三大石材産地のひとつ。

香川県高松市の庵治町・牟礼町。茨城の真壁、愛知の岡崎と並ぶこの産地には、採石場のすぐそばに、2026年現在も200社以上の石材関連事業者が集まっています。

山から採る人。寸法に切る人。形を彫り、肌を仕上げる人。それぞれの得意な仕事を受け渡し、一つの製品をつくる。庵治石の魅力は、石だけでなく、この分業でつながる人の手にもあります。

香川愛知茨城
香川・庵治牟礼 / 愛知・岡崎 / 茨城・真壁

A LIVING TRADITION

何百年もの仕事が、
今日の一石につながる。

庵治石の採石の歴史は、平安時代にまでさかのぼるとされています。1588年に始まった高松城の築城にも関わり、江戸時代には高松藩の御用丁場として発展。長い年月をかけ、この土地に石を扱う知恵と技が積み重なりました。

道具が手仕事から機械へ変わっても、石の癖を読む目と、仕上がりを確かめる手は欠かせません。何百年も受け継がれてきた技術が、今は建築や庭、インテリアへと広がっています。

岩壁の下で採石作業にあたる職人たちの歴史写真

OOCHOUBA / 大丁場

御用丁場から、今へ。

「丁場」とは、石を採り出す場所のこと。五剣山の北西に広がる大丁場は、江戸時代、高松藩松平家の御用丁場として石を供給した歴史を持ちます。切り出された石は、高松城の工事や、藩主ゆかりの墓石・灯籠などに用いられました。

明治の廃藩置県を経て、御用丁場は旧高松藩の大久保家の所有となり、この頃から「大丁場」と呼ばれるようになったと伝えられています。山を読み、石を選び、次の手へ渡す。その仕事は、今もこの山で続いています。

庵治・牟礼の採石エリアと海沿いの石工団地を色分けした概略図
01 大丁場 / 02 中丁場03 庵治地区 / 04 野山地区青緑:石工団地
山で採り、海沿いの工房で仕立てる。採石場と石工団地が近くに集まる産地。© OpenStreetMap contributors

FROM HAND TO HAND

得意な仕事を、次の手へ。

採る・割る・切る・彫る・仕上げる・据える。工程ごとの専門家が連携し、一つの製品を仕立てます。下の流れは一例で、用途や仕上げに合わせて工程を組み合わせます。

  1. 01

    採石

    石の目や亀裂を読み、岩盤から原石を取り出す。山のどの部分を使うかを見極める、最初の仕事。

  2. 02

    大割・小割

    穴を並べて開け、楔(せり矢)を打つ。石の目に沿って割り、加工に適した大きさへ整える。

  3. 03

    切削

    ダイヤモンドカッターで切り出し、設計に合わせた厚みや寸法に。石目の向きも仕上がりを左右する。

  4. 04

    造形・彫刻

    機械とノミを使い分け、輪郭や細部をつくる。灯籠から建築部材まで、用途に合わせて形を与える。

  5. 05

    表面仕上げ

    磨いて斑を引き出す。叩いて凹凸をつける。光や手触りを考え、場所に合う表情に仕上げる。

  6. 06

    施工・据付

    完成した石を運び、現場で位置や納まりを調整する。山から受け継いだ仕事が、ここで空間になる。

  7. 07

    完成

    山から受け継いだ一石が、庭や建築の風景になる。人の暮らしの中で、石の新しい時間が始まります。

石が空間に届くまで ↗

NO TWO ALIKE

揃っていない。
だから、選ぶ楽しさがある。

石目、斑の濃淡、錆の入り方。実際の原石を見ながら、その場所に似合う一石を探します。

岩肌に重なる光と影
庵治石の細かな結晶と割肌
切り出された石の緻密な石目
鋭い稜線と荒々しい断面
淡い錆色が残る石の一片
山から切り出す大きな岩盤
庵治石の山を見上げる
切り出された庵治石の原石

TEXTURES

石から、布へ。表情は広がる。

STONE 原石・石のかたち ↗FABRIC 石を着る ↗